世の中の価値観が多様化し、女性の生き方の選択肢が増えてきましたね。

女性が自らの生きる道を選ぶことができるようになったことは、たいへん喜ばしいことですが、反面、どの道をとるかの岐路に立たされることも多くなっている現代女性。

そして、自分で選んだ道を進むなら、その責任は自分で取らねばならない。

自由が増えた分、悩みも多くなっているのではないでしょうか。

そんな時に、ちょっとした道標になりそうな本を紹介しようと思います。

ただし、あくまでも takako の偏狭な独断の元にセレクトしていますので、その点をご了承ください。

また、金銭問題や身の危険が伴う深刻な悩みについては、本を読むどころではありませんので、速やかに関係各所にご相談ください。

真正面からぶつかるより、身のかわし方を知れば楽になれる
――[人間関係]

人生の悩みの多くが、人間関係に集約されると言ってもいいのではないでしょうか。

生きている限り、この悩みから開放されることはないかもしれないけれど、ちょっとした対処法を身につけることで少しは楽になると思います。

【夫は犬だと思えばいい。】高濱正伸

いきなり刺激的なタイトルですが^^;

この本を紹介するのには、訳があります。

この本を読んで、私の悩みは劇的に解消したのです!

以前、夫に自分の気持ちが伝わらないのにもどかしさを感じていた頃、図書館で偶然この本を見つけました。

読んだあと、すぐに自分で購入し、隙あらば友人に「読んで!」と貸し出しています(笑)

若い頃は、大事なパートナーとはすべてを共有して、分かり合うためにとことん話しあわねばならないと思っていたのですが(今思えば怖い)、歳を重ねるうちに、別の人間である以上、全てを理解し合うのは不可能だということに気が付きました。

その、「理解不能」というところに悩んでいたのですが、この本を読んで、パートナーとはお互いにとって大事な部分を理解し合うことができれば、残りの日常的な些細な事にはこだわらず、分かり合えないことを前提として生活していけばいいということを教えてもらいました。

男性の中には、タイトルを見て「けしからん!」と思う方もいらっしゃると思いますが、筆者は男性で、この著書の中で「妻は猫と思えばいい」とも言っています。

そう、このタイトルの「夫」の部分を、「無理難題しか言ってこない上司」「セレブ気取りの嫌味な近所のおばさん」「PTA役員なのに自分の仕事をなすりつけてくるママ友」に置き換えてみると、あ~ら不思議、「ワンコだものね、しょうがないわ~」と広い心で受け流すことができるんです。

夫婦関係にとどまらず、広く人間関係に応用できる考え方を書いた本です。

【思春期の子が待っている親の一言】大塚隆司

こちらは、本来は育児書として読むべきなのでしょうが、人に対するコミュニケーション術、特に管理職や組織のリーダーに役立ちそうな具体的な方法が書いてあります。

筆者は塾の先生なので、子供自身に成績を上げさせるためのテクニックを説明しているのですが、それがそのまま部下に業績を上げさせたい管理職に役立つと思います。

特に「叱りかた」は難しいので、とても参考になりました。

時々引っ張り出してきて、繰り返し読んでいる本です。

なんとなくやる気が出ない。仕事や夢に対するモチベーションが下がった時
――[仕事・夢]

40年生きてきて、人生において一番必要で大切な物は「情熱」だと思うようになりました。

情熱さえあれば、何に対しても前向きになれるし、人の心も動くような気がするし、結局なんとかなる!

でも、人間誰しも疲れることはありますよね。

「パッション」が足りないな~と思ったらこれを読んで、ぐっすり寝て、元気を出したい!

【序の舞】宮尾登美子

女性初の文化勲章を受賞した日本画家「上村松園」をモデルにした小説です。

上村松園は、明治から昭和にかけて活躍し、女性の目からみた美人画を描いた画家です。

その時代、女性が職業として絵を描くなんて普通は考えられないことでした。

完全に男性社会である絵の世界に飛び込んで、夢中で絵を描いていく主人公津也の情熱に圧倒されます。

また、津也の大成の影には、母勢以のサポートが不可欠であり、子を思う母親の深い愛情にも心を打たれます。

現代のいまだ残る男性社会で、おばあちゃんに子供を見てもらいながら頑張る働く女性に通じるものがあり、時代は違えども職業を持つ女性は共感を覚えるのではないでしょうか。

【よその子】トリイ・ヘイデン

アメリカの教育心理学者である著者が、実際に小学校の補習教室を受け持った時の出来事を綴ったノンフィクションです。

残念を通り越して怒りを覚えるような、想像を絶する過酷な家庭環境で育った子どもたちがいます。

その中には、学校での学習や集団生活に適応できない子供もいて、筆者はそういう子どもたちのための補習クラスの担任です。

クラスの子供達は、じっと固まったまま動かなかったり、虐待が原因で脳に障害があり字の区別がつかなかったり、継母に対する憎しみのために粗暴で普通クラスに馴染めなかったり、全員が大きな問題を抱えています。

その子どもたちに対し、大きな愛情を持ち、「良くしてあげたい」という強い情熱を持って信じる道を突き進んでいく筆者には言葉がありません。

個人の力ではどうしようもない福祉のシステムを打ち破ろうとしたり、仕事に打ち込むあまり私生活が崩壊したりと、とても器用に生きているとは言えない筆者ですが、胸に熱いものを打ち込まれるような気がします。

この恋、進むべきか、引くべきか?恋の迷路に迷いこんだら
――[恋愛]

若い時は、何事も経験!

恋も、迷わず行くべし。

でも、結婚とか、出産とかいう文字が視界の隅にちらつくようになったら、ちょっと立ち止まって深呼吸してみましょう。

ここだけの話、私にも、覚えがあります(笑)

あの時、あちらの道を選んでいたら、今の幸せはなかったんだな~という分かれ道が!

情に流されす、冷静に考えてみれば、もうあなたの中に答えはあるはず。

【白蓮れんれん】林真理子

柳原白蓮は、大正から昭和にかけて活躍した歌人です。

白蓮は、筑紫の炭鉱王である伊藤伝右衛門の妻でありながら、また、大正天皇の従姉妹でありながら、当時の世の中を騒がせるある事件を起こしました。

その柳原白蓮をモデルにして描いた小説が「白蓮れんれん」です。

経済力のある夫の元に嫁ぎ、物質的には恵まれた生活をしていた白蓮がとった行動に、共感するかしないかは読む人次第だと思います。

恋に生きた女性、白蓮は幸せだったのか、本人に会って聞いてみたい。

この結婚、正しかったの?心の隅に小さな棘が刺さったら
――[夫婦・結婚生活]

結婚して10年、20年の間には、「この結婚は正しかったのだろうか?」「他に道があったのでは?」と思い悩むことも1度や2度や3度はあると思います。

パートナーに借金があったとか、浮気が発覚したとかいう大きな問題はなくても、小さな不満が積み重なって、憂鬱になることもありますよね。

小さな棘は、どこに刺さったか分からずに、いつまでもチクチクと痛んだりします。

棘は小さいうちに洗い流してしまいましょう。

【妻の肖像】徳岡孝夫

新聞記者の後作家となった筆者が、妻を亡くし、妻との思い出や妻の最期の様子を描いた作品。

夫婦とはこんなにもお互いを想い合うものなのですね。

一緒に生きている間に流れた月日が、2つの魂を一つに凝結してしまうのでしょうか。

自分の両親を見ていても、そんな気がします。

今、夫を失ったら自分はどうなるのか、そんなことを考えてしまいます。

筆者の精神の美しさに心をえぐられること必至ですので、ハンカチ・ティッシュを用意してお読みください。

私の生き方これでいいのかな?自分らしくありのままに生きたいと思ったら
――[生き方]

ありのままで生きるって、難しい。

特に大人になると、責任が生じたり、常識が邪魔をしたりして、生きたいように生きていくのはとても難しい。

生き方に迷ったら、この本をお勧めします。

【100万回生きたねこ】作・絵 佐野洋子

ねこが100万回違う猫生(?)を生きるお話です。

この絵本は、子供の頃から100万回は読んだと思いますね(お約束)。

私の子供時代に、「本を読んで泣いた」初めての本が、この「100万回生きたねこ」です。

今は、子供に読んで聞かせるのですが、昔より今のほうが泣けます。もう号泣です。

「自分らしく、自分の人生を生きる」「心から愛する人と出会い、共に生きる」ということがいかに難しく、いかに幸せかということを身にしみて知っているからだと思います。

中学生の娘には、幼稚園児の頃から読み聞かせていますが、私のようには心を動かされていない様子を見て、「自分らしく生きているんだな」と妙なところで安心したりしています(笑)

【私の死亡記事】文藝春秋 編

名立たる著名人が、自分の最期を想像し、自分の死亡記事を書いています。

ユニークな記事、感動的な記事、笑ってしまう記事、どれも個性的で興味深いです。

この本を楽しんだあとは、誰しも、「自分が書くとしたら」と考えると思います。

あなたなら、自分の死亡記事をどのように書きますか?

私は、胸を張って堂々と自分の死亡記事を書けるような生き方をしたいなあと思います。

母親でいることに疲れた時に
――[子育て]

お母さんだって疲れることはある。

というより疲れっぱなし(笑)

「いい子に育てよう」とすると、お母さんが疲れてしまいます。(経験談)

たまには肩の力を抜いて、頑張るのをやめてみませんか?

【子供なんか大キライ!】井上きみどり

またまた挑戦的なタイトルです。

この本が長女に見つかった時、幼稚園児の長女に
「これはね、こういう意味ではなくてね、ホントは子供が大好きなんだけれどもね、逆説的にね、大嫌いと言っているだけであってね、」としどろもどろに言い訳した思い出があります^^;

娘は「はいはい」と全く気にしていませんでしたが(笑)。

育児マンガはいろいろあって、好きなものもたくさんあるのですが、ほとんどが「わりといい話」になっているのに対し、このマンガはあくまで等身大の母と父と子供が描かれているところがいい。

読めば、笑えて、悩んでいるのは私だけじゃないんだ、と思える本です。

【生まれてバンザイ】俵万智

俵万智さんが、妊娠中、出産後の我が子との生活を唄った歌集です。

俵万智さんといえば「サラダ記念日」ですが、実は、当時、今ひとつピンとこなかったんです。

この「生まれてバンザイ」は、最近知人に贈っていただいたので、あまり期待せずに読み始めたのですが、1ページ目から涙、涙でなかなか先に進めませんでした。

タイトル通り、子供って生まれてくることが既に奇跡なんですよ。

そこにいてくれるだけで喜びなんだということを思い出させてくれます。

今回、自分の本棚まで晒してしまって、なんだか頭のなかを公開しているようで少し気恥ずかしさを感じていたのですが、少しでも誰かのお役に立てればいいなあ、と思って書きました。

これから読む方のために、あらすじには極力触れないようにしたので、言葉足らずになったかもしれませんが、本を手に取るきっかけになれば嬉しいです(^^)

最後に、今回紹介した私の大好きな本たちです!

私の本棚


子供が小さい時に読んだものは、カバーを取られてボロボロです^^;
(本立ては長女作)