人間は犬じゃないと息子が教えてくれた 【ハーネス(迷子紐)について】

拒否の意思を表す男の子と女の子

テレビ報道をきっかけに、ネット上で賛否両論があったハーネス(迷子紐)問題。
現役子育て世代として、この問題を考えてみました。


こんなんでも2児の母、takako です。

子供を育てるということは、喜びや楽しみに満ち溢れているんですが、もちろんそれだけではなく、悩みや苦しみの連続でもあります。

先日、息子の小学校の運動会で、とても素敵なお母さんに出会い、それをきっかけに考えたことがありますので、それについてお話しようと思います。

美容や女子力アップとは直接関係ないですが、ここは母力を深めようということで長文ですがご容赦ください(汗)。

かわいらしい鈴の音を鳴らす男の子がいた

梅雨入りして天気が心配される中、小雨に見舞われながらもなんとかプログラムは進行し、紅白対抗リレーの次に注目が集まる6年生の組体操が始まりました。

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運動会のメインの種目であり、6年生は小学生時代最後の運動会でもあることから、カメラ、ビデオの数はものすごく多く、観覧席は自分の子供を写真に収めようとする保護者で若干殺気立つほど。

うちの子は2年生なので、撮影する人の邪魔にならないよう2~3歩下がって見ていたのですが、なんだか足元の方で「ちりん、ちりん」とかわいらしい鈴の音が。

「ん? 校庭に猫?」
と思いつつ下を見ると、お母さんと手を繋いでいる2歳くらいの男の子の靴のかかと部分に鈴がついていました。

その子が動くたびに「ちりん、ちりん」と音がしていたんですね。

靴についた鈴をよく見ると、洗濯バサミのようなものに鈴が2つついていました。

洗濯バサミ部分が水色で、鈴は赤と黄色。

カラーもとってもかわいらしく、青い靴と相まってとってもおしゃれ。

これは、私の想像なんですが、迷子の防止のためにつけたんじゃないかな、と思うんです。

子供が通っている小学校は、全校児童が800人ほどの大規模校なので、運動会の時、校庭は「何の祭り?」と思うほど人で溢れかえっています。

小さい子が迷子になっても何の不思議もないほどです。

迷子鈴を子供につけておけば、音で動きがわかるし、万一、一瞬子供を見失っても、音の方を探せば見つけやすいかもしれない。

人込みで小さい子を探すのは大変ですものね。

でも、鈴が迷子防止の切り札になるとは、きっと鈴をつけたお母さん(お父さんかもしれませんが)も思っていないでしょう。

あくまでお守りというか、万一のためにつけたのではないかと思います。

ほんの小さな工夫ですが、子供の靴に鈴をつけたお母さんの深い愛情を感じました。

お母さんは、きっと上のお子さんが組体操に出ているのでしょう、左手でビデオを持って、撮影している人だかりの一番後ろから必死で録画している様子でした。

そして、その右手は、しっかりと男の子の手を握っていました。

組体操と言っても、同じところでずっと演技しているわけではなく、移動しながらなので、ビデオを撮る方も大変です。

そのお母さんも、伸び上がったり、前で撮影している人たちの隙間を探したりしながら録画していました。

男の子が「あっちいきたい」とむずがった時は、しゃがんで男の子に何か話しかけたり、行きたい方向に少し移動してあげたりしていました。

その姿がね、非常に美しかったんです。

普通なら、イライラしてもおかしくない状況なんですよね。

まず、夫が来ていない(ように見えた)。

子供の運動会の時くらい一緒に来てほしいのに、仕事だか何だかわからないゴルフで来れないという(勝手な妄想ですが)。

こんなに小さい子を連れて、上の子の小学校最後の運動会なのに、ちゃんと見れないじゃない!

そして、子供に対して。

  • 今日は~今日だけは~絶対言うこと聞いてよ~
  • ちょっと!勝手にそっち行っちゃダメ!
  • このビデオ撮ってる間だけは、じっとしてて!!

私なら、絶対にこうなりますね(自信満々)。

それが、そのお母さんは、笑顔で男の子に話しかけている。

しかも、そのファッションは赤チェックのマキシ丈のワンピースに編み上げサンダル、大きめかごバッグという完璧なコーディネートで、ヘアスタイルはロングのゆるふわウエーブにカチューシャ。

2歳男児がいてスカートをはける、見事な女子力です^^!

いや、この精神の余裕を考えると、もはや人間力と言っていいのではないでしょうか^^。

そんな素敵なお母さんが子供につけていた迷子鈴を見て、思い出したことがあります。

最近、ツイッター等で話題になっていた「迷子紐(ハーネス)」についてです。

ハーネス(迷子紐)とは

ここで、ハーネスをご存知ない方のために、ちょっと説明しますね。

ハーネスとは、小さな子供が迷子になったり、急な飛び出しを防ぐためにつける紐のことです。

紐と言っても、そのまま紐を子供につけるというより、リュックを背負わせるようにして、そのリュックについている紐を親が持ったり、自分の体につけたりする感じです。

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このハーネスについてあるテレビ番組が放送したところ、ネット上でいろいろな意見が出たようなんです。

私もツイッターでその情報を見て、いろいろな方の意見を拝見し、2児の母として考え込んでしまいました。

ハーネスを初めて目にした時

私が初めてハーネスなるものを目にしたのは、一人目を出産後、子供の服を買うために通販のカタログを見ていた時です。

その時のことは今もはっきり覚えていますから、私にとってかなりの衝撃だったのだと思います。

「これは・・・。い、犬ではないか!」

正直な感想はこれです。

ただ、その時は、生まれたばかりのわが子の世話に明け暮れていたので、それ以上深く考えることもなく、そのハーネスが天使の羽をデザインしてあるのを見て「これを娘にしょわせたらかわいいかも!」とも思いました。

後になって、真剣にハーネスの購入について検討するとは、この時は夢にも思いませんでした。

ハーネスを使おうか思い悩んだ

一人目の子が1歳になって歩き始めると、育児の楽しさも増える半面、親の体力も必要になってきました。

あちこち歩き回る子供のうしろにくっついて歩きました。

私は、たぶん神経質な親だと思います。

結婚して見知らぬ土地に来て、ほとんど一人で子供を育てたというのもその一つの原因だと思います。

とにかく、この子をちゃんと育てなければ、といつも考えていました。

子供が3歳くらいまでは、外では子供から3メートルと離れることはなかったと思います。

自分ではそれが当たり前と思っていたのですが、ある時、3人の子供がいる私から見たら超ベテラン先輩ママから、「○○ちゃん(私の娘)、元気がよくてお母さん大変だよね」と言われて軽いショックを受けました。

ちょろちょろするのはどの子も同じ、と思っていたら、うちの子は余計にちょろちょろしてたみたいです。

どうりで疲れるはずです(笑)。

そんなある日、夫と娘、私の3人で娘の洋服を買いに行きました。

娘が1歳の時です。

娘は夫のすぐそばにいたため、私は夫が見ているだろうと思い目を離してしまいました。

夫と子供から5メートルくらい離れて、1~2分服を選んでいました。

ふと娘の方を見ると、一生懸命娘の服を選んでいる夫はいますが、娘の姿は見えません。

反射的に振り返って、店の出入り口の方を見ると、娘が出口に向かって歩いている!

「とっことっこと~ん♪」

そんな楽しげなBGMが流れていそうな様子で、迷いなく自動ドアに向かって突き進んでいます。

私がいた場所から娘をキャッチするまで、たぶん6~7歩だったと思いますが、その間に娘は自動ドアを開けて、(というか自動だから開くよね)外に出てしまいました。

私が娘を捕まえるまでのことは今も脳裏に焼き付いています。

走っても走っても追いつかない気がしました。

ほんの数秒でしょうが、とても長く感じました。

今でもその時の恐怖を思い出すと涙がにじんできます。

というのも、自動ドアを抜けると歩道があり、その先はかなり交通量の多い車道だったのです。

それを機に、まったくじっとしていない娘を連れて歩くのに疲れていたこともあり、ハーネスを購入することについて真剣に考え始めました。

ハーネスを使わずにやり過ごした時期

子供の安全のために、ハーネス使用について本気で検討しましたが、結論から言うと、私はハーネスを購入しませんでした。

ためらっているうちに、子供の方が成長して、言葉で危ないことを理解するようになってくれたことが大きいです。

また、子供を育てているうちに、親の方も成長して、子供の行動への対処法も自然に開発されてきます。

子供が勝手にどこかに行ってしまいがちなレジやATMでは、台と自分の間に子供を閉じ込めるようにして逃亡を防いだり、銀行などで待ち時間がある時のために、常に100円ショップの新しいおもちゃや古本屋さんで買った本をキープしておいて、いざというときに遊ばせると、少しの時間じっとしてくれました。

散歩の時は、車が通ったら必ず止まり、動き出しそうなときはしゃがんで抱きしめていました。

人込みには、行かない。
どうしても行かなければならない時は、夫も一緒に行ってもらうようにしました。

その後、二人目に恵まれて、育児の負担は増えたように思いますが、子育ても2回目となるとコツをつかんでいて、初めての時のような苦労はなかったと思います。

二人目は男の子で、定期健診で保健師さんに「多動の疑いがある。多動の親子が集まるサークルがあるから来てみないか」と勧誘される程度には元気な子でした。

結局、多動と判断された根拠があいまいだったのでサークルには参加しませんでしたが、現在小2でまったく問題なく通学できています。

とにかく子供と一緒に走り回ったので、自分にも体力がついたし、手を抜いてもいいところを覚えて、一人目の時のように疲弊することは少なかったような気がします。

そのせいか、ハーネスについて考えることも一切ありませんでした。

私がハーネスを使わなかった理由

子供を危ない目にあわせてしまい、ハーネスの使用について考えたのですが、

子供が危ない目に合った ⇒ ハーネスを使おう

とはならず、ものすごくためらいがあったんですね。

今になってこのためらいの正体を考えたのですが、それは、やはり、初めてハーネスを見た時の第一印象が大きく影響しているように思います。

子供がまるでペットみたいではないか、と。

私にとって、ハーネスをつけるということは、子供をペットと同じように扱うことのように思えたのです。

安全のためとはいえ、紐をつけて子供の行動を制限するということに強い抵抗感があり、使うことができませんでした。

うちの子の場合、ちょろちょろしているとは言っても、親がしっかり見ていれば大丈夫、と育てるうちに解ってきたこともあります。

娘が店から出て行った事件も、私か夫が見ていれば絶対に起こらなかったことです。

小さい子供について回るのは骨が折れます。

親の時間や体調、気持ちに余裕がなければ辛いこともあります。

でも、私は、自分が注意していれば子供の安全が確保できるのなら、自分が楽をするためにハーネスは使わないでおこう、使いたくない、と思ったのです。

子育てにおいて、合理的に対処していっても問題ない部分と、そうではない部分があると思います。

ベビーカーや抱っこひもは私も散々使いました。

それらの育児を便利にする道具と、ハーネスは一線を画すものであると私は思います。

人が人を紐でつなぎ、動きをコントロールする行為に、私は賛同することができませんでした。

ただ自分が楽をするために、便利だからという理由だけで気楽に使う類のものではないと私は思っています。

とはいっても、環境が違えば私も使っていたかもしれない

それでも、実際に子育て中の母親としては、育児の苦労を知っているだけに、ハーネスを使うことに関して全否定はできません。

私も夫も実家が遠く、じいじ、ばあばの手を借りることはできませんでしたが、私は専業主婦でしたから、育児に専念することができましたし、二人の子供は5歳離れています。

これが年子とか双子だったり、自分に持病やハンディキャップなどがあって走り回れない状況だったりしたら、子供の安全を守るためにやむを得ず利用したかもしれません。

育児には個々の事情がありますから、私ごときが「こうするべき」と言うつもりもありません。

ただ、ネット上で取り上げられているハーネスについての議論を見ていると、子育て現役世代の意見が、ハーネス擁護に偏っているように感じたので、思い切って私見を述べさせていただきました。

多動を疑われた程度には走り回る息子(小2)の意見

今回、このブログを書いている最中に、息子が久しぶりにやらかしてくれました。

高速道路のサービスエリアで一瞬迷子になりました。

この時は家族4人と、じいじ、ばあばでお出かけしていて、大人が大勢いたため、「誰か見ているだろう」「もう小2だし」と私はすっかり油断していました(懲りてない。だめだなあ)。

2~3分で発見して大事には至らなかったのですが、その夜、もう一度念押ししておこうと、一人で勝手にうろうろしないこと、知らない人には絶対ついていかないことなどを話しました。

そして、ちょっとしたイタズラ心で、前出のハーネスの写真を見せて、

「お約束守れないならこういうのつけちゃおっかな~」

と言うと、とても驚いて、

「いやだー」

と叫び、なんと涙目に。

そんなに嫌なのか、と私も予想以上の反応に驚きつつ、

「つけない、つけないよ、冗談だよ。でも、なんで嫌なの?」

と聞くと、しばらく黙って考え込んだ後、涙をいっぱいためた目で私をじっと見て、こう答えました。

「だって、犬は、みんなこれつけてる。。人間は、犬じゃない!」

その時、自分のためらいの理由を再確認することができました。

私がハーネスを使わなかったのは、人間は、犬じゃないから。

こんな小さな子でも、自分は犬ではなく人間であり、犬のように紐でつながれることに自尊心を傷つけられている。

また一つ、子供から教わりました。

ハーネスを使うか悩んだのは上の子の時ですが、私は、使わなくてよかったな、と心から思いました。

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